どんな病気？

治りにくい深部組織欠損のことを難治性潰瘍といいます。
その原因と種類にはさまざまな因子や疾患があります。
健常者でも創傷の管理が適切に行われていない場合は創傷治癒遷延を来たします。

種類

基礎疾患別に示します。

1. 糖尿病性：糖尿病により生じる免疫力低下、創傷治癒遅延、神経障害、動脈硬化などが原因で生じます。
2. 静脈うっ滞性：下肢静脈瘤や静脈還流異常により生じる潰瘍です。長時間の立位やむくみが原因になります。
3. 動脈性（虚血性）：閉塞動脈硬化症やバージャー病による潰瘍です。十分な血液が供給されないため、虚血状態になり組織が死んでしまいます。
4. 膠原病に伴うもの：膠原病自体でも傷が治りにくくなりますが、ステロイドや免疫抑制剤を治療として使用している場合はさらに創傷治癒が遅くなり、免疫力低下により感染しやすくなります。
5. 放射線：放射線照射を受けた皮膚にできる潰瘍です。皮膚細胞が損傷を受け、治癒が難しくなります。

治療

局所治療

洗浄や創浄化、外用療法（潰瘍の状態にあった軟膏を使用します）、感染コントロール

外科手術

壊死組織の除去（デブリードマン）、植皮術、局所皮弁形成術

基礎疾患を合併している場合は、局所治療のみでは困難なケースが多いため、内科治療など総合的な治療が必要となります。